正確に、わかりやすく

 受け取る相手を考え、まわりくどい言い方や難解な言葉を控えます。
 誤字に注意します。送り仮名、ものの数え方は、間違えやすいものです。ベタベタと修正液を塗った手紙は、やはり汚く見えます。
 わかりやすい文章の流れを考え、手紙を組み立てます。


マナーを守る

 手紙を出すタイミングを逃さぬようにします。とくに返信は遅れると出しにくくなります。
 筆記用具は、自分が受け取る気持ちになって選択します。鉛筆書きなどは相手に対して失礼です。
 封書とはがきの選択は、文章量ではありません。第三者に読まれると相手がつらい思いをするような文書は、絶対に封書で出すべきです。


手紙の組み立て

前文 頭語
時候の挨拶
お互いの様子に関する挨拶
感謝やおわび
主文 起語
本文
末文 結びの挨拶
結語
後付け 日付
署名(自分の名前)
宛名(相手の名前)・敬称
わき付け
添え文 追伸(追って書き・副文)
別記

前文の書き方
 本題に入る前に、はじめの挨拶を書きます。頭語、時候の挨拶、お互いの様子に関する挨拶を続け、お礼やおわびの挨拶を加えます。これらは、すべてを書かなければいけないというわけではなく、頭語と時候の挨拶の組み合わせでも十分です。
 なお、急ぎの用件、お悔やみ、お見舞いなどは前文を書かず、すぐ本題に入るほうがよい場合があります。また、身近な人への気軽な手紙では、このような挨拶はよそよそしいので、前文省略としてもよいでしょう。

頭語と結語
頭  語 結  語 ( )は女性
一般 拝啓/啓上/拝呈
一筆申し上げます
一筆啓上
敬具/拝白/拝具/
さようなら/ではまた
(ごめんくださいませ/かしこ)
丁寧 謹啓/恭啓/謹白/粛啓
謹んで申し上げます
敬白/再拝/謹具
(あらあらかしこ/めでたくかしこ)
緊急 急啓/急白/急呈
取り急ぎ申し上げます
草々/不尽/不一/不二
不悉/右とりあえず/(かしこ)
重ねて出す 再啓/追啓/再呈
重ねて申し上げます
敬具/再び失礼いたしました
(かしこ)
略式 前略/冠省/略啓
前文お許しください
前略ごめんください
草々/不尽/不一/不二
不悉/不備/(かしこ)
返信 拝復/復啓/謹復
ご状拝見/ご書状拝読
お手紙承りました
お手紙拝見いたしました
敬具/拝答/以上/敬白
ご返事まで/(かしこ)
初めて出す 初めてお手紙を差し上げます
突然お手紙を差し上げます失礼お許しください
敬具/敬白/(かしこ)
(あらあらかしこ/めでたくかしこ)

  参考:時節の挨拶

お互いの様子に関わる挨拶例
相手の繁栄を祝う、無事を喜ぶ
基本文例 応用文例  { }内は会社、団体あて
皆様(には) 皆々様/あなた様/貴下/貴殿
先生/各位/ご一同様/貴家
{貴社/御社/貴所}
いよいよ ますます
ご清祥 ご健勝/ご清栄/ご清福/ご健康
ご壮健/お元気/お健やか
{ご繁栄/ご盛栄/ご発展/ご隆昌}
のことと の趣/の由/の段
のことと承り/のことと拝察いたし
お喜び申し上げます 慶賀の至りに存じます
お祝い申し上げます
大慶に存じます
なによりに存じます
賀し申し上げます
相手の様子を尋ねる
基本文例 応用文例
皆様(には) 前例に同じ
その後 近ごろ
いかがお過ごしでしょうか お変わりございませんか
ご様子いかがでしょうか
自分の様子を知らせる
基本文例 応用文例
当方一同 当方/下って、私ども/家族一同
おかげさまで おかげをもちまして
無事に暮らしております あいかわらず元気に暮らしております
無事消光しております
無事過ごしておりますので他事ながらご安心ください


感謝、おわびの挨拶
相手へ感謝の挨拶
基本文例 応用文例  { }内は会社、団体あて
毎度 日ごろは/つねづね/いつも/平素/毎々
先日は/昨日は/過日は/このたびは
格別の 過分の/特段の/何かと/種々
ひとかたならぬ/おもいがけぬ
ご厚情 ご高配/ご配慮/お世話
お心配り/お心にかけて
を被り を賜り/にあずかり/になり/をいただき
厚く御礼 心から感謝/深く感謝/感謝至極
まことに恐縮/心からお礼
申し上げます に存じます/存じております
いたしております/しております
ごぶさたのおわび
基本文例 応用文例
その後(は) 一別以来/平素/日ごろ
とかくの とかく/心ならずも/つい
多用にとりまぎれて/長らく
ごぶさた(をいたし) ご無音/ご疎遠/お便りも差し上げず
心より 心から/まことに/幾重にも
おわび申し上げます 申し訳ありません
汗顔の至りに存じます
世話をかけたおわび
基本文例 応用文例
いつも 先日は/先日の〜では/何かと
この度は/この度の〜では
ご迷惑ばかりおかけし お手数をわずらわし/ご無理ばかり申し上げ
ご好意にあまえ/お邪魔しまして
とんだそそうをいたし
まことに申し訳ありません おわびの申しようもございません
お許しください/すみませんでした


主文の書き方
 主文に書くときには、相手に伝えたいことは何か考えてみます。それらを箇条書きにしてメモをとると、そこからどの順序で書くとわかりやすいのかイメージができあがります。
 重要な用件や相手に直接関わる問題などを先にし、時間的な進行で述べていく方法などがあります。


末文の書き方
 手紙の締めくくりの部分です。主文の最後につけて、結びの挨拶をします。乱筆悪文のおわび、今後の愛顧のお願い、繁栄を祈ることば、結語などが末文になります。
 ただ、末文にいろいろ筆を加えると、主文の印象が薄くなります。結語だけでも十分なので、必要最小限を心がけたほうがよいでしょう。

結びの挨拶
乱筆、悪文のおわび
基本文例 応用文例  { }内は会社、団体あて
以上
乱筆 とり急ぎ乱筆恐縮に存じますが
乱筆悪文のためお見苦しい点も多いかと存じますが
貴重なお時間を拝借いたしましたが
お許しください お許しのほどお願い申し上げます
なにとぞご容赦お願い申し上げます
よろしくご判読のほど願い上げます
意のあるところをおくみとりください
今後の愛顧を願う
基本文例 応用文例
なお
今後とも これからも/引き続き/旧にまさる/倍旧の
ご高配を ご指導/ご協力/ご厚情/お引きまわし/お力添え
賜りますよう 賜りたく/いただきたく
お願い申し上げます
自愛、繁栄を祈る
基本文例 応用文例
寒さの折から 大寒のみぎり/気候不順の折から/惜春のみぎり
年末多忙の折から/時節柄/末筆ながら
ご自愛専一のほど ご自愛ご発展のほど
ご自愛ご活躍くださるよう
ますますご自愛くださるように
ご健康にお気を付けくださるよう
お小さい方もお風邪を召さぬよう
お祈り申し上げます お祈りいたします
お念じ申し上げます
お大事に願います

  参考:頭語と結語

後付け、追伸の書き方
●日付
 書いた日もしくは差し出し予定日を書きます。普通の手紙では月日だけよいのですが、儀礼書状、重要書状では年から書きます。「○年□月吉日」、「○年盛夏」というような日付を特定しない書き方もあります。
●署名
 氏名を書きます。代筆の場合は、氏名の下に「代」か「代筆」と書き、妻が代筆した場合は「内」などと書きます。連名の場合は、あて名に近いほうに上位者の名前がくるようにしますが、家族の連名や責任を伴う書状の連名では、あて名に関係なく、上位者から順に書きます。
●宛名
 氏名と敬称、さらにビジネス文では会社名や肩書きも必要です。連名の場合上位者を先に書きます。
●わき付け
 わき付けはいっそうの敬意を表するため、あて名の左下に書き添えるものです。現在ではほとんど使いません。省略するのが普通です。目上には「侍史」「台下」、同輩には「机下」「座右」、身内や女性には「みもとに」「御前」などを用います。封筒の表書きに「親展」「直披」などと書く場合、あるいは弔慰状ではわき付けを使いません。
●追伸、別記
 追伸(副文)は、本文に書き忘れたこと、別件の軽い内容などを書き加えるためのものです。本文と少し離して、「追って」「なお」「追伸」「二伸」などの頭語から書きはじめます。
 別記は、本文に入れるとわかりにくくなる用件を、本文の次に箇条書きにしてまとめるもので、「記」という見出しをつけます。ビジネス文でよく使われます。